2011年03月04日

ホステス控え室2

海辺の近くにある会員制のクラブでピアノの生演奏を

仕事としているB子は気が強く、そして涙もろい…

つまりは単純を絵に描いたような女性である。

  

そんなB子もこの仕事を始めてから単純さは変わらないが

少しは大人になってきたような。

 

 

そのB子を大事にしてくれているホステスのY子さんに呼ばれて、

その日初めてホステス部屋に入ったB子は今まで見たこともない

その華やかな場所でY子さんを待っているところである………。

 

 

 

 

「ホステス控え室~2~」

 

 

 

 

一週間前にY子さんからゆっくりお話がしたいと誘われ、

そして今日、演奏時間のなんと3時間前の5時にB子は

この部屋に来ているというわけである。

 

 

Y子さんはこの時間にはもう出勤しています。

そしてホールの点検とスタッフ達に今日の仕事の指示を

おくっているところです。

 

ふと腕時計に目をやったY子さんは最後の指示を送り、

と同時に足早にホステス控え室へと向かったのです。

 

 

「お待たせしてごめんなさいネ」

とY子さんがそのドアを開けると同時にB子に声をかけた。

 

 

B子は一瞬頬を赤らめ、まるで憧れのスターでも

見つめるかのような目でY子さんに微笑んだ。

2011年02月13日

ホステス控え室

 

今、B子はホステスさん達の控え室に居ます。

10畳程の広さでしょうか。

クリーム色のフローリングで敷きつめられた

その中は南側に小さめの窓があり、

西側には10枚の鏡がありその1つ1つに

明るめの丸い電球が備え付けられてます。

彼女達の化粧台です。

その反対側はクローゼット。

色とりどりのロングドレスがかけてあります。

まるで結婚式場の花嫁の支度部屋かと思うほど華やかです。

 

中央にはらくに10人はくつろげる様なやはり床と

同系のクリーム色のダイニングテーブルが置かれてます。

仕事が始まる前に彼女達がここで軽食をとるようです。

 

B子はそのダイニングテーブルの隅に小さくなって座っています。

 

大部お店にも慣れてピアニストにしてはかなり態度が

大きくなってきたB子もさすがにこの控え室は別世界らしく。

キョロキョロとブルーのアイシャドー(相変わらずですが)を

つけた顔で360度部屋中を見回しています。

 

それを観ていた何人かのホステスさんがクスクス笑いながら

「B子ちゃん、そんなに見回していると首の筋をちがえちゃうわよ」

と、話しかけてきました。

 

 

なぜB子はここに居るのか。

それは一週間前の帰り支度の最中にY子さんが

「B子ちゃん、来週の 土曜日少し早くお店に来れるかしら。

あなたとゆっくりお話がしたくて。」

と、言ってきたのです。

2010年12月25日

K社長の知恵

「ちっちゃな知識」

今回は皮膚について少しお話しします。

『ヒフは身体の防衛膜』ヒフにはスキンローラーと呼ばれる殺菌性を持った物質が

身体内から分泌され、ウイルスや細菌から身体を護っています。

ヒフが乾くとこれらの有用菌は角質層に生存できなくなり

その結果「早期角化現象」つまり老化現象によるかゆみ、

湿疹等によるヒフ疾患身体的には風邪などウイルスや細菌に

感染しやすい弱い体質になってしまうこともあります。

予防法としては身体の全部が乾かないようローション、乳液などによる

マッサージがよいかと思います。

 

ピアノのつぶやき

第10話

『K社長の知恵』

 

今日は10月半ば、B子がこの会員制クラブでピアノ演奏を始めてから3ヶ月が経とうとしています。

8月1日の初日から今日までの間相変わらず彼女のまわりでは、・・・というよりこのお店の中では

色々な出来事が起こってましたが彼女にとっては人生の良き経験として少しはピアニストとしても

成長してくれたのではないかと思うのですが。

 

さて、店内は土曜日の9時過ぎということもあり、だいぶにぎやかになってきました。

 

ホステスのY子さんはピンクのドレスにそれと同色の口紅をつけ、やはり美しい姿勢で

お客様にやわらかな笑みをうかべながら接待しています。

 

カウンターのバーテンダーもいつもながらオールバックの素敵な雰囲気、

慣れた手つきでカクテルを作っています。

 

ボーイ達はホステスさんの指示で各テーブルへとオーダーされたお酒を

足早にしかも手際よく運んでいます。

 

あの銀縁メガネのサブマネージャーはというと今日はTマネージャーが他のお店

(この会員制クラブは県内に3店あります。)へ行っているのでいつものことですが

自分がリーダーだというくらいの意気込みで店内を見回しています・・・が、

スタッフは全員彼の存在を無視し、ホステスのY子さんの指示で動いているという状態です。

 

そしてB子はというと・・・茶系のやわらかな生地のハイネックブラウスに同系色の

バックスキン風のスリットの入ったタイトスカートという、格好だけは大人びたファッションで

第2ステージの出番を控え室で待っているところです。

 

ホールにはK社長もいらして下さってます。

 

B子もすっかりK社長と仲良くなり演奏する度に高額のチップを頂いています。

でも今日はハイネック・・・以前は決して大きくない胸の谷間にチップを投げ込まれ・・・

(いえいえ神社の賽銭箱ではないので・・・神様に怒られてしまいます)

 

たくさんのお客様からチップを頂くようになってきたB子はチョッとしたアイデアを思いつき!!

小さなポーチを(しかもピアノと同系の黒)ピアノの上に置くようにしたのです。

このきっかけを作ってくれたのがなんとK社長だったのです。

 

ある日演奏中、K社長が演歌を唄いたいと言いだし、この頃にはB子も演歌の演奏は

かなり慣れてきた時でしたが。

 

最初の唄いだしに「キーが低すぎるぞ!!」と社長に言われ、キーを上げていくのですが、

その度に社長もキーを上げてしまうので、最後には女性のソプラノかと思うほど

高い音になってしまったのです。

 

そして一曲唄い終わった瞬間

「B子くん!!伴奏ヘタだな」

とマイクを通して文句を言いつつも満足気な顔。

ホール中、笑いと拍手のうずの中2万円というチップをピアノの上に置いたのです。

 

B子はその2枚のお札を信じられないという様に見つめ続けたのですが、

その時に社長が、そっと言ってくれた言葉が、

「B子くん、君は本当に面白い子だよ。このチップはこのステージで僕をスターに

してくれたお礼だ。大金なんだから早くしまいなさい。そしてこれからは小さなバックを

ピアノの上に置いておくんだよ。その中にチップを入れてもらうんだ。」

と言いながら豪快な笑い声と共にステージを降りていったのです。

大きな拍手の中を。

 

それ以来B子は堂々とチップ入れを、いやいや黒のポーチを私の譜面台というしかも

客席側に置くようになったのです。そしてK社長のお墨付きということもあり、

あの銀縁メガネのサブマネージャーすら手も足も出せないという。

2010年12月09日

ピアノのつぶやき

いよいよ12月に入り、寒さも増してまいりました今日この頃。

さて前回書かせて頂きました「ちっちゃな知識」

今回はその続きで(自律神経の働き)を載せてみました。

自律神経は交感神経、副交感神経から出来ておりお互いが逆の作用をし、

内蔵の働きを調整しています。

 

・心臓⇒交感神経が早く打ち、副交感神経がゆっくり打つ

・血管⇒交感神経が収縮し、副交感神経が広げる働きをする

・呼吸⇒交感神経が呼吸を早くし、副交感神経が遅くする

・胃腸⇒交感神経が胃腸の働きを休息させ、副交感神経が活発にさせる

 

臓器や器官の中でも胃腸は特に精神の働きに左右されるデリケートな場所です。

日常生活の中で精神のバランスが乱れると消化器系の働きに異常きたすのは

当然のことでしょう。ストレスを受けることが少なくない現代社会では

今、心の栄養失調にかかっている方が多いことでしょう。

自律神経の失調は生きもの全ての体と心をむしばんでしまいます。

皆さんもそれぞれご自分の生活の中でご自分に合った心の栄養の取り方、

つまりそれはストレスによる精神の疲れを癒す方法を見つけ心と体を守って下さい。

 

『ピアノのつぶやき』

第9話

 

この町の一大イベントでもある8月の夏祭り。

神輿やら露店やらとにぎわう大通りの真ん中にあるこの会員制のクラブも

年に一度だけのオープンサービスを実施しています。

会員でなくても今日だけはこのクラブ内を自由に出入りできるとあって

店内のホールもだいぶにぎやかになってきました。

 

時間は9時35分頃。

ピアノステージもラストの曲まであと3曲という時突然

「お前、客をバカにするなよ」

と大きな怒鳴り声がしたのです。店内のお客様もホステスさん達も

一斉にその声の方を向きました。B子も一瞬ピアノから指がこけそうになるくらい驚き、

それでも気を取り直しそのまま演奏を続けました。

 

その怒鳴り声の主は甚平姿の年の頃は50代後半の中肉中背の男性。

お酒を楽しんでいらした場所はカウンター席。

そして怒鳴り散らしている場所はそこから4,5歩くらいのソファーのあるボックス席。

そこにいらっしゃる常連様と2人のホステスさんの前に仁王立ちで怒鳴りまくっているのです。

 

 

B子はと言えば、私の鍵盤を強く叩きながらその新客様の声をピアノの音で消す動作に入ったのです。

「おいおい・・・B子さん・・・逆にホール内がもっとうるさくなってしまったよ」

その新客様の声とB子のピアノの音が、もう騒音化してしまったのです。

すかさず、Y子さんがステージに上がりB子の耳元で

「大丈夫よ。いつも通り静かに弾いてね。」

とささやくとB子の肩を優しくポンポンとさわり、

そのまま甚平姿のその新客様の所に歩いていったのです。

そして、その新客様をさとす様な柔らかい雰囲気で、

しかし目でものを言ってるかのような相手に隙をあたえないキチッとした姿勢で

話し終わるとその新客様を連れ戻したのです。

 

「さすがY子さん。ベテランは違いますね。」

今日ホステスさん達をベテランと新米に分けた理由は新米が常連様につき

勉強できるのも事実ですがベテランが今日限りの新客様につくことが一番の目的だったのです。

会員制のクラブをオープン化することで慣れないお客様が酒の勢いで他の

お客様にご迷惑をおかけするかもしれないという状況を回避できるのは

ベテランホステスさん達だけだからです。

 

一騒動あった第3ステージを無事終え控え室に戻ろうと狭い廊下を歩いていると

向こうからあの素敵なTマネージャーがこちらへ歩いてくる所でした。

そしてTマネージャーが

「B子さん今日はちょっとハプニングがありましたがよく最後まで演奏を続けてくれましたね。ありがとう。」

と言い終わるとその場を去っていったのです。

その後ろ姿を見送るB子の肩がだんだんと落ちていくのを発見したのは

グランドピアノの私だけかもしれません。

あのパットいらずの肩がここまで落ちると慰める言葉も見つかりません。

「えっ?なぜ慰めの言葉が必要なのかって?ほら彼女はとにかく単純な女性ですから

ピアノ演奏をほめてもらうことより浴衣姿をほめてほしかったんですよ。

ただそれだけのことなんですがね。」

 

こうしてその夜は肩を落としたままB子は帰っていったのでした。

しかも控え室の中で浴衣にケンカでも売っているかのような脱ぎ方で。

2010年11月25日

ピアノのつぶやき

皆さん、こんにちは。
今日は『ピアノのつぶやき』をお読み頂く前にほんの少し体のことについて・・・・
題して『ちっちゃな知識』とでもしておきましょう。

☆自立神経(人の意思に関わりなく働く神経)

自律神経とは自覚なく働く神経で私達がが知らない内に

呼吸、消化、体液循環、分泌など内蔵器官の働きを調節しています。

交感神経と副交感神経からできていて、

お互い逆の作用をしながら内蔵の働きを調節しています。
例えば、胃や腸では副交感神経が働きを活発にし、

反対に働きを抑制するのが交感神経です。
しかし、ストレス等でこの調節に異常が起り、

混乱に陥るとさまざまな体調異常が起こります。
これが【自律神経失調症】です。

症状の主なもの
肩こり・立ちくらみ・便秘・発汗・熱感・寒気・息切れ

どうき・高血圧・神経性胃炎・下痢・血行不良等


この症状が全て自律神経失調症から起るとは限りませんが

現代社会の中でストレスを感じている人は少なくないと思います。

ストレスを発散できる何かを見つけてみてはいかがでしょう。

ご自分の人生です。楽しんで下さい。

次回は自律神経の働きをほんのちょっとですがお話致します。
では『ピアノのつぶや』をご覧下さい。

『ピアノのつぶやき』

第8話

今日は8月下旬
B子がこの高級クラブでピアノを弾き始めてから4週間が経とうとしています。
グランドピアノである私から見ても喜怒哀楽が激しいB子さんですが・・・まぁ単純とでもいいましょうか。
それでもピアノの演奏はしっかりと頑張ってくれてますし、

今日までの間にお客様からの要望で演歌の伴奏も頼まれ

(最初は演歌ではなく行進曲かと思うくらいあがってしまった伴奏でしたが)
心温かなお客様達にリードして頂き、今では「ズンチャカ チャッ チャッ」と

そのリズムにのってお客様達に楽しく唄って頂けるまでになってます。

ステージ上での態度ももうすっかり身に付き初日にサブマネージャーから

クレームをだされたツンとした歩き方もさり気に静かに歩けるようになりました。
ただ、相変わらず肩を落として歩くことは無理なようで・・・
なぜなら彼女の肩はパットいらずなほど男性並みの肩幅で・・・

ホステスさん達には「スーツがよく似合うでしょうネ」なんておだてられてましたが。

 

そして今日はこの町の一大イベントでもある夏祭り当日。
昼間から神輿が商店街を練り歩き露店もずらりと並び

浴衣を着て歩く女性や子供の手を引きながらなるべく露店の前を

早歩きで通り過ぎようとしている家族、
またこの暑い中、手にした綿菓子がとけてしまうのではないかと思うほど

仲良く手をつなぎ寄り添って歩く若いカップルなどでにぎわっています。

その大通りの真ん中に位置しているこのクラブも今夜だけは

年に一度の大サービスデイです。
会員制である店内に一般の方々にもお入り頂けるというオープン日にしてある為、

夕方の7時頃からジーンズにTシャツという様なスーツ以外の服装の男性客も
ホステスさん達に囲まれながら少し緊張しつつも楽しそうに会話をしてらっしゃいます。
もちろん常連のお客様もいつも通りスーツ姿でお見えになって下さってます。
ホステスさん達もベテラン(3年以上のお勤め)とそれ以外の二つに分かれ

新客様(このお店では今日だけお見えになる一般のお客様)にベテランホステスさんがつきます。
常連様には新米のホステスさん達がおもてなしをし、

彼女たちにとっては今日という日が勉強の場にもなるのです。
少しずつにぎやかになってきたホール。時間は8時になるところです。
そろそろB子さんがまた私の鍵盤に指を置き静かな曲を

ホールのお客様にお届けする時間がやってまいりました。

と.と.と.と.


「なんか変な音がする・・・ヒールではない! ん?下駄?」

カランコローンならまだしも、カタカタカタと慣れない足どりで近づいてきたその足元から上へ目をやると!!!

「ありゃー B子さん浴衣姿だよ。ふぅ~ん。ちょっとイメージが変わっていいかな♪」

藍色の下地に黄色やピンクの絞りの花模様をあしらった浴衣に肩までのボブを今日はアップにといういで立ちで現れたのです。

先週の土曜日、B子はあの素敵なマネージャーに
『今日のお祭りに浴衣を着てもよいか』と提案し、

もちろん今までの過去に浴衣のピアニストなどいなかったのだが、

マネージャーはホステスのY子さんと相談し、OKをだしたのです。
誰もが思いつくわけではないこの斬新なアイデアに

お客様もきっと喜んで下さるという判断です。

でもB子の本音はお客様に喜んで頂くというよりは一目惚れしてしまった

マネージャーに浴衣姿をみせたいという、なんともあさはかな・・・本当に単純というか。

ところがやはりマネージャーとY子さんの思惑通り、

お客様の反応はすごいもので浴衣姿のB子がステージに立った瞬間

「ほぉ~」という歓声と共に拍手がわいたのです。
一歩外に出ればそれこそB子よりももっともっとかわいい浴衣姿の

女性がたくさん歩いているのですが、このクラブという中で

しかも黒のグランドピアノの前に立つB子本人ではなく浴衣姿が新鮮に映ったのでしょう。

とにもかくにも気を良くしたB子はいつも通り鍵盤に指を走らせ

静かな曲をホール内に届け始めました。

「でもピアノの私から見ると今日はいつもよりあごが上がっているよ。

浴衣姿をほめられて嬉しいのは私も一緒だからB子さんの気持ちは分かるけど、

あまり得意気に顔を上げるとまたあの銀縁メガネに怒られるよ。」

と、言いつつもその銀縁メガネがいつものポジションである

ステージわきのカーテンからB子を見ている目が普段とは

違って見つめているという表現がふさわしいような様子だったのです。

でもこの後第三ステージが終わる少し前にとんでもない出来事が起こるのでした。

ではその内容はまた次回。

2010年11月15日

ピアノのつぶやき

みなさんいかがお過ごしでしょうか。

少しの間、お休みをさせて頂いておりましたが、

本日よりまた連載をしていきたいと思います。

ではでは早速ご覧下さいませ。 

 

ピアノのつぶやき

第7話 

 

会員制のクラブでピアノの生演奏という仕事でやってきたB子は

初日であるその日に色々な出来事をまき起こしてしまう。

口うるさいサブマネージャーを怒鳴りつけたり、演奏中にK会社の

社長からチップを頂いたり、そしてその社長にケンカを売るような

発言をしてしまったり。

 

『いいんじゃないですか、それは社長さんの主観ですから』 

 

K社長の

『ホステスのY子には100万あげてもB子には一銭もあげたくない』

という本気なのかジョークなのか、その言葉を聞いた直後に

B子が社長に向かって言ってしまったこの発言に、周りのホステスさん達も

かばいようがないというあきらめの表情で下を向いてしまい、

銀縁メガネのサブマネージャーはカーテンの裏に隠れてしまった。

 

そんな周りの様子も全く無視状態でB子は社長をにらみつけていた。

 

誰もが社長は怒りだすと思っていたその時に

『ハッハッハッ・・・君はなかなか気が強くて頭のいい子だネ』

と、予想もしない言葉が社長の口から飛び出した。

 

Y子さんはホッとした表情でB子を見ていた。

他のホステスさんも止まってしまった空気をやさしくほぐすかのような

仕草で社長が口にくわえたタバコに火をつけている。

カーテン裏に隠れていたサブマネージャーは先ほどからずっと

その場所に居たくらいの顔つきで自分のポジションにいつの間にか立っていた。

 

B子はというとこの訳が分からない社長の言葉にただキョトンとしているのだった。

 

そしてもっと驚くべきことが起きたのだ。

いきなり社長がB子の右腕をにぎるといきなり中央にあるダンスフロアーへと

B子を連れて行ったのである。

 

そしていきなり流れている静かな曲に合わせチークダンスをB子と踊り始めたのだ。

B子は先ほどから続いている訳のわからないという世界に入ったまま

おぼつかない足取りでチークダンスを踊っているというか、

まるでマリオネットのように踊らされていた。

 

そして、K社長は

『君は本当におもしろい子だね。からかい甲斐があるよ。普通のお嬢さんだったら

僕のあの発言にただ愛想笑いをして、そして涙目になるな。』

と、おだやかな紳士的な声で言ったのである。

 

B子はといえば、初対面の社長に女性の価値を金で比較され、しかもその対照が

Y子さんであったことに恥ずかしさから目には涙がたまっていたのだ。

 

でもそれが流れる前にダンスフロアーに引っ張っていかれたことで

こぼれそうだった涙が鼻の中へ入っていったのだ。

 

そして、

『社長!からかうのはかまいませんがY子さんを引きあいに出すのはやめて下さい。

Y子さんに失礼です。』

とキッパリ言ったのであった。

 

会話こそ聞こえてないが、その社長とB子のダンスの様子を微笑ましく見ている

Y子さんの瞳はまるでB子の姉のような優しさと温かさを感じさせるほどであった。

 

 

次回の『ピアノのつぶやき』もお楽しみに!!

2010年09月27日

ピアノのつぶやき 第6話

急に涼しくなってまいりました今日この頃、皆様体調はいかがでらっしゃいますか。

夏バテはこの時期に起こるとも言われてます。

しっかり食べてしっかりと睡眠をおとり下さい。

それでは『ピアノのつぶやき』ご覧ください。

 

ピアノのつぶやき

第6話

初日のステージをすべて終了し、帰り支度も整えて

いよいよB子はK社長の待つ客室フロアへと軽い足取りで向かっていった。

なにしろあの社長に気に入られれば今後チップをちょうだいできることは確実なので・・・

それは足取りも軽くなるはず。。。というかほぼスキップ状態。

 

客室フロアのドアを開けた瞬間B子は目をパチクリ。

ピアノのあるステージから見たこの場所が、全く違う別の場所であるかのような

広々とした感覚に陥り、天井にはいくつもの大きなシャンデリアが

決してうるさくなく静かに輝いている。

フロアの床は茶系のやわらかな絨毯、80脚ほどあるソファーはアイボリー、

テーブルは全てガラスで出来ていてそれをもっとシックに見せるかのような

絨毯とほぼ同系の茶の木材の縁取りがしてある。

 

B子はふとつぶやいた。 『掃除が大変だろうな。』

おいおい、感想はそれなの?

 

ホステスのY子さんに手招きされ、B子はK社長の待つ場所へゆっくりと歩いていき

ニッコリとほほ笑みながら社長に頭を下げた。

そして『先ほどはありがとうございました。』

と、チップのお礼を言うとY子さんの横にチョコンと腰掛け

周りにいる3人のホステスさんにも頭を下げた。

 

Y子さんが『B子さん、何かお飲みになる?』と声をかけてくれたので少し緊張がほぐれ

『はい、オレンジジュースをお願いしてもよろしいでしょうか。』

と、小さな声で答えた。

 他のホステスさんが片手を上げボーイに指示を送ると

間もなくジュースが運ばれてきた。

 

B子はそのジュースを右手に持ちK社長のビールの入ったグラスに乾杯をした。

そして、K社長が

『B子君、けっこう色が黒いんだな』と言うと豪快に笑いだした。

B子はいきなりのこの発言にはっきり言って腹が立ち、キッと社長を睨んだのだ。

その様子を見逃さなかったのはホステスのY子さんだけではなかった。

あの銀縁眼鏡のサブマネージャーがスーッとB子の後ろに立ち、B子の耳元で

『その顔はなんですか。K社長に失礼です。』

とささやくのではなく、はっきりと聞こえるほどの声で言ったのです。

 

さぁ、腹の虫がおさまらないB子は、

いきなりサブマネージャーの方へ振り向くなり

『あなたは私に恨みでもあるのですか。』

と、怒鳴りつけたのだ。

この様子を見ていたホステスのY子さんが

『あなたは呼んでませんからこの席から離れていて下さいね。』

と、やわらかな落ち着いた声でサブマネージャーを睨みつけたのでした。

そして、

『K社長、失礼致しました。改めてご紹介致しますネ。

こちら今日からこのお店のピアノ演奏をして頂くB子さんです。

今後とも宜しくお願い致します。』

と、今までの空気を一変させてくれるような甘い声で社長をやさしく見つめたのです。

 

B子は初めてプロのホステスさんのやわらかな声、洗練されたしぐさを

目の当たりにし、自分がまるで幼稚園児のような錯覚に陥りました。

周りを見渡すと席はほぼ満席でいたるところに素敵なドレスを身にまとった

ホステスさん達が男性客とにこやかに会話をしたり、お酒を飲んだりと・・・

そして皆輝いて見える。

 

Y子さんが

『B子さん、初日でK社長さんに気に入って頂けたようで本当に幸せね。』

と、声を掛けてきた。

そしてB子が「はい」と言おうとしたその時に

『僕はY子には100万あげてもB子君には1銭もあげたくないなぁ。』

と、大きな声で笑いながら言ったのだ。

 

その瞬間その場の空気がとまり (いったい何回空気が変わるのか。。。)

Y子さんは困ったような表情、他のホステスさん達は何もなかったかのように

話を変えようと必死でした。

そんな中、B子が怒るでもなく、笑うでもなく、無表情のまま口を開こうとしている・・・

 

ダメダメダメだよ!!

口を開いて言葉を出しちゃダメ!

相手はお客様だよ。喧嘩を売ってしまったらもう終わりだよ。

気持ちは分るよ。今日はもう疲れたよね。

君がこの店でやることは私とタック組んで素敵な音色を

お客様にお届けすることなんだから!

口を結んで・・・・・

 

『いいんじゃないですか、それは社長さんの主観ですから!!』

B子はK社長の目をしっかりと見据えて言いました。 

 

あ~、言っちゃった。

かわいそうにY子さんが真っ青になってるよ。

他のホステスさん達も下を向いてしまったよ。

 

こうして初日の夜にB子はこの会員制クラブのフロアを

一転、二転、三転させてしまったのでした。 

 

2010年09月18日

ピアノのつぶやき 第5話

皆様お元気でらっしゃいましたか。

このところ少し秋の気配を感じさせてくれるさわやかな風に

夏の疲れを少しづつ癒されているのは私だけでしょうか。

では、さっそく・・・

 

ピアノのつぶやき

第5話

B子がラストの第3ステージにむかおうとした時、ステージ奥にあるスタッフルームから

長身のスーツがよく似合う男性がこちらへ歩いてきました。

そして、B子の目の前で足を止めると

『君、今夜ステージでピアノを演奏してくれるB子さんですね。

色々と大変なこともあるでしょうけど勉強だと思って頑張ってください。

私はこのお店のマネージャーのTです。

何か困ったことがありましたらいつでも声をかけて下さい。』

そう言うとそのまま客の居るフロアへと静かに消えていきました。

 

残されたB子はというと、瞳の中にキラキラ星が入ってしまったような、

まるで少女マンガに出てくるような・・・。

 

おいおい!!なにをボーっとしてるのさ!!

早くステージに来てピアノを弾かなきゃ。

もう時間だよ。

あのチップをくださったK社長がピアノの私をジーっと見てるんだから!

 

『・・・あっ!!』

ようやく我に返ったB子は第3ステージの最初の曲を弾き始めました。

 

あれ?最初の曲は【80日間世界一周】だったよね?

なのになぜ【恋は水色】を弾いちゃってるの?

ま、まさか・・・あのマネージャーに一目惚れ?

この子、見た目は気が強そうだけど案外単純なのかも・・・

 

そして30分間のステージが終了し、控え室に戻ったB子を待っていたのは

チップ騒動の時に助けてくれたあのホステスさんでした。

 

彼女は身長が160センチくらいで色白。髪の毛は少しクリーム色。

その髪をゆったりとアップにし口紅はやさしいピンク色。

今日のドレスは彼女の細身のボディーをもっと引き立たせる薄紫色で

床を少しなでるくらいのロング丈。名前はY子さん。

 

その彼女がなぜ控え室にいるのか・・・

B子はキョトンとした表情でドアの前に立ったまま。

するとY子さんの口から

『お疲れ様でしたね。初日のステージで緊張したでしょう。

でも、とっても上手だったわよ。ところでもうお帰りになるの?

もう少しお時間を頂けるんだったら、あのK社長があなたと少しお話が

したいって言うんだけど・・・イヤだったらお断りしてくるけど・・・どうかしら。』

 

B子は『はい、お伺い致します。』となんの迷いもなく即答したのです。

その理由は・・・社長に気に入られてチップをこれからももらえるという計算。

そして、もう一つはあのTマネージャーの顔をもう一度見たいという思い。

 

まぁ、本当に単純という言葉がぴったりなB子でした。

 

 

次回は仕事場えあるステージからホステスさん達の

仕事場であるフロアへ降りて、B子とK社長の言葉のバトル。

そしてそれをヒヤヒヤしながら見守るY子さんのお話になります。

 

ちなみに銀縁メガネのサブマネージャーはTマネージャーがいる時は

「借りてきた猫」の様におとなしく、まぁ悪く言えば猫をかぶっているというのでしょうか。

 

その様なわけでフロアに降りて上客であるK社長に挨拶に行くB子をジーっと見ていた

サブマネージャーのことも一応つけくわえておきます。

2010年09月09日

ピアノのつぶやき

『ピアノのつぶやき』をご覧下さっている皆様

お元気でらっしゃいますか?

 

前回第3話では、ブルーのアイシャドーの彼女(今回からB子と呼ぶことにします。)が

K会社の社長に気に入られチップを頂くという事態が

起きたのでした。

さて、彼女はこのチップをどうするのか・・・・

続きをご覧ください。

 

 

~ピアノのつぶやき~

第4話

 

第2ステージがあと1曲で終わろうとしているその時に

B子の決して大きくない胸の谷間に

あの社長からのチップがねじこまれました。

B子はバラードを弾きながら、肩はサンバのリズムのような

動きでなんとかそのチップをドレスの中に隠すことに成功したのです。

 

ようやく第2ステージが終了しB子はおもむろにピアノの椅子から

立ちあがると同時に何かを落とさないかの様に

左手を腹部のあたりにそえて静かにステージを去っていきました。

 

 控室に戻ったB子は誰もいるはずのない部屋であえて確認するかのように

周りを見回し腹部にあててた左手を静かにはずすと、

少しゆるめのそのドレスのスカートを揺らし始めました。

その瞬間、スカートの裾から一枚の紙幣が落ちてきました。

なんと一万円札です。

 

~ここで一言~

結婚式場で披露宴の伴奏(2時間)の

お仕事で一万円が相場です。

 

B子も結婚式の仕事はしてますので、今目の前にある

このお札がウソではないかと思うくらい感動したのは言うまでもありません。

 

その時ドアをノックする音がし、

返事をする間もなく開いたドアから顔を出したのは一人のホステスさんでした。

そして彼女はB子に一言・・・『早くチップをしまっちゃいなさい。

あなたが頂いたのだから誰かにチップのことを聞かれてももらってないと言うのよ』

と、それだけを言うと足早に客の待つフロアに戻って行ったのです。

 

その直後、またドアをノックする音がし、

現れたのは銀縁の眼鏡のあのサブマネージャーでした。

そして 『君!!さっきK社長からチップもらわなかった?』 と

眼鏡の奥の細い目を一段と細くして言ったのです。

 

『いいえ、頂いてません!!』とB子が言うと

『へぇ~僕見てたんだけどなぁ』と今度はその細い目をつりあげるかのように

彼女の胸のあたりに視線を落としたのです。

それでなくても今日というデビューの第1ステージからこのサブマネージャーに

クレームを出され、いささか腹が立っていたB子は、何を思ったのかいきなり

部屋のドアを開け、フロアに続く廊下を飛び出すなり、

『このドレスを脱いで裸になれって言うんですか?』

と叫びとも怒鳴り声ともつかない大きな声でサブマネージャーを睨みつけたのです。

 

するといつの間にか先ほど 部屋に来てチップを隠せと言ってくれた

あのホステスさんがボーイと共に目の前に現れ、

『どうかしたの?』

と、わざとらしいくらい冷静な態度で声を掛けてきたのです。

『いや、なんでもない!!早く2人はフロアに戻りなさい。

君も第3ステージで今日の仕事は終わりだから気を抜かずにやってください。』

と、動揺を隠すかのように少し強い口調で言うとステージ裏の

スタッフ用のトイレに入って行ったのです。

 

そしてB子は先ほどの怒鳴り声とはうって変わってニヤッと口元をゆるめたと同時に

カーテンの隙間から見える今は誰もいないステージに向かってVサインをしたのです。

まるでグランドピアノの私に サブマネージャーに勝った!! と言っているかのように・・・。

 

 

次回はB子に声をかけてくれたあのホステスさんが、どのような女性なのか。

またまたある事件がきっかけで今後B子に色々な影響を与えていく存在として

明らかになっていきます。

お楽しみに!!

2010年09月03日

~ピアノのつぶやき~ 第3話

残暑きびしき折 皆様、いかがお過ごしでらっしゃますか。

 

と、始めたいところですが、今日のごあいさつは少し違います。

 

酷暑の折 皆様、お身体にはくれぐれもお気をつけ下さい。

 

さて、毎週木曜日に載せてました「ピアノのつぶやき」・・・

今週は一日遅れて金曜日になってしまいました。

では・・・言い訳は無しで・・・ごめんなさい。

 

~ピアノのつぶやき~

第3話

ブルーのアイシャドーの彼女はいよいよ9時からの第2ステージにむかって歩き出しました。

休憩の間にサブマネージャーからクレームを出され腹は立つものの、とりあえず言われた通り

少し頭を下に向け、か弱い女性を演じているかの様なその姿・・・

きっと初ステージからクレームを出されて落ち込んでいるんだろうな。かわいそうに・・・

 

 

サブマネージャーは身長180cmくらいの長身。

顔の中央には銀の縁どりの眼鏡が自分はインテリなんだと言わんばかりに存在し、

唇は薄く、横一文字。性格は良く言えば細かなことによく気が付き、

悪く言えば些細な事でも見逃さずスタッフというスタッフにクレームを出す。 

しかも眼鏡の奥にある小さな目で人を見下すかのように。

その様なわけで店のスタッフからは・・・、あえて文字にしなくてもご想像にお任せ致します。

 

 

さて、彼女はこのステージの1曲目に何を弾くのかな?

・・・!? あれ?右手の5本の指が熊手のように構えはじめた!!

 

ま、まさか??

 

と思ったら案の定・・・弾いちゃったよ。というか鍵盤をたたいてるよ。

ワァ~、音が大きいし、テンポが速いよ。しかもジャズだし。

あ~ぁ、またサブマネージャーに怒られるよ。。。

ほらほらステージ脇のカーテンから銀縁の眼鏡がチラチラ見えるよ。

 

ステージの上では彼女が私の鍵盤をたたくかのように「雨にぬれても」の

ジャズバージョンを気分良く弾いてる真っ最中。

ステージの下ではあのK会社の社長(新人ピアニストの品定めが趣味)が

ニヤニヤしながら彼女を見ています。

 

そして事件は4曲弾き終わり、あと1曲でで第2ステージが

終わるという時に起きたのです。

4曲目が終わり、5曲の準備を3秒足らずでしようとしたその瞬間、

彼女のブルーのドレスの少しV字になってる胸元に、浅黒く適度に

毛むくじゃらで短い腕が突然入ってきたと思ったら何秒もかからずスッと消えたのです。

 

そしてその胸元には一枚のお札が

「なかなか気に入ったぞ」と言わんばかりにねじこんであったのです。

 

チップです!! 

 

 ====ここで一口メモ====

お客様から頂いたチップはお店によって扱い方が違いますが

受け取った者へのプレゼントとして黙認されるのが通常です。

===============

 

しかも彼女はK会社の社長に気に入られたのでした。

彼女はというと、ビックリしたのと、何が起きたのか理解不能のまま

演奏を続け始めたのですが・・・

 

あれ あれ あれれれ・・・

 

ピアノを弾くのは手を動かすだけでいいのに彼女は肩を肩を横に振り始めたよ。

まるでリオのカーニバルのサンバを踊ってるようだよ。

 

ダメだ・・・私・・・ピアノなのに・・・笑っちゃい・・・そう・・・ププッ

 

語り手であるグランドピアノまでもが彼女の奇妙な動きで笑いだしちゃいましたので

代役で私が最後を〆させて頂きます。

 

ピアノまでが笑ってしまうような彼女の奇妙なサンバの動き

(しかも弾いている曲はバラードなんですがね・・・)が

止まったその時先ほどまでのV字の胸元にはさまったお札が

決して大きくはない胸の谷間に消えていったのです。

 

しかもそれを最初から最後まで見届けていたのは

この主役でもあるグランドピアノとステージ脇にあるカウンターバーの

素敵なバーテンダー、そしてステージ脇のカーテンからのぞく銀縁眼鏡でした。

 

 

来週はブルーのアイシャドーの彼女がこのチップ事件をどう対処するのか。

お楽しみに!!

2010年08月26日

ピアノのつぶやき 第2話

まだまだ暑さが続く中、この1週間いかがお過ごしでらっしゃいましたか。

幾分、夕方に風が出てきて少しホットするような・・・。

さて、前回から始めました 【ピアノのつぶやき】

小さな海辺の町の会員制クラブに置かれたグランドピアノが

色々な人間模様を語るという物語。

今回はいよいよ新人ピアニストが初めてクラブの中で生演奏をするところからです。

ではお楽しみ下さい。

 

ピアノのつぶやき

第2話

その女性はブルーのワンピースにブルーのアイシャドー。

(一応、小麦色の肌に似合うということにしておきましょう。。。)

土曜日の夜   時間は8時

お客様も70人くらいはいるでしょうか。9時近くになるといつも満席状態。

さていよいよ彼女の演奏が始まります。

 

彼女大丈夫かなぁ?なんだか指が震えているし

心臓の鼓動が200はいっちゃってるんじゃないの?

あっ・・・右手の親指が私に触ろうとしてるけど、ちがう ちがう!

この曲は左の小指からイントロが始まるんだよ!

 

♪ ~ ♪ ♪ ~

 

フゥ~・・・大丈夫だった・・・左手から始まった。

そうそう、その調子で落ち着いて弾いてネ。

『シェルブールの雨傘』はスローテンポな曲だから。

・・・・でも、今日は雨降ってないよネ。 まっ、いいか。

 

お客様も今日はあの大手のT会社の社長や

土曜日には必ずおみえになるR会社の社長。

そうそう、珍しくK会社の社長もおみえになってる。

彼は新人ピアニストが来ると品定めをするかの様に必ずステージ近くに座って

演奏を聴くというより顔を見に来るんです。

そのピアニストを気に入れば必ずチップを渡して下さるのだけど

そのチップの渡し方が・・・・・

それは後で話しますね。

果たして彼女はこの社長に気に入ってもらえるかな?

 

あ、1曲が終わった。

ここで拍手があっても頭を下げててはダメだよ。

そのまま続けて2曲目を弾くんだよ。

それがこの世界でのルールでマナーだから・・・・

 

あ~ぁ、立っちゃったよ頭を下げちゃったよ。しかも立っちゃった・・・

こりゃダメだ。

おまけに満面の笑みまで浮かべちゃったよ・・・。

もういいから早く椅子に座って2曲目を弾いてよ。

黒のグランドピアノの私まで恥ずかしくて赤面しそうだよ。

 

あ~なんとか5曲弾いて第1ステージが終わったネ。

そのまま静かに退席してね、頭も下げなくていいから。

そうそう、その調子でそのまま静かに左のカーテンの中へ消えるんだよ。

 

こうして彼女は8時からの30分のステージを終了し、

休憩後、9時からの第2ステージにまた姿を現すのです。

 

~・~・~・~・~・~ 一口メモ ~・~・~・~・~・~・

 食事やお酒の場での生演奏はBGMとほぼ同じで

食事の味やお酒での会話の邪魔をしてはいけない

ルールがあります。

私が思うのは、グランドピアノが花瓶ならば

演奏するピアニストは一輪の花

そして流れる曲は花からの淡い香り・・・

 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・

 

この第1ステージ終了直後に、サブマネージャーが彼女の休憩室へ行って

「ステージを去る時はツンとあごを上げて歩かない!!

 もっと普通に前を向いて肩をおとして歩くように!!」

 

この一言がブルーのアイシャドーの彼女の心に『逆襲の火』をつけてしまったことは

言うまでもありません。

 

それでは、また次回をお楽しみに!!

2010年08月19日

ピアノのつぶやき

先週から再開致しました『今月の一曲』ご覧頂けましたでしょうか。

あれから一週間お元気でらっしゃいましたか。

 毎日が暑いを通り越して猛暑続きの中、お身体には充分お気をつけください。

 さて今週から『ピアノのつぶやき』と題して

ある会員制のクラブに置かれたグランドピアノの

色々な視点から見た人間模様をのせてゆきます。

ゆっくりとご覧ください。

 

~ピアノのつぶやき~

第1話

今は昭和50年後半

ある町に5階建ての大きなビルが

目の前の国鉄の駅を見下ろすかのように堂々と建っています。

駅の線路を越えた向こう側には、コンクリートで固めた堤防があり、

その1mくらい下に静かな波の海が町全体に柔らかな潮風を運んでくれます。

 

私はその5階建てビルの2階に位置する高級クラブ(一応)の

ステージに置かれたグランドピアノです。

2年前から生演奏をとり入れ、特に土曜日の夜は明日が日曜日ということもあり

大手の社長のプライベートや会社の接待の場として100人近いお客様が

私から流れる静かな音色に耳をかたむけながら楽しいお酒を飲んでらっしゃいます。

 

お客様のお相手をするホステスさんは20人くらい。

お酒を運ぶボーイさんは10人くらい。 

また、私のいるステージから5歩ほどのところにカウンターバーがあり

曲を楽しみながら1人でお酒を飲まれるお客様が細長いイスに軽く腰掛け

クリーニングの行き届いた白のワイシャツとスラーとしたスーツを着こなし

さりげに長い脚を組みながら、片手にオンザロックのグラスを持ちながら

流れる曲に耳をかたむけてらっしゃいます。

カウンターの中ではキチッとしたオールバックのバーテンダーが

お客様と静かに会話をしています。

 

今日は8月1日、土曜日です。

今夜、新しいピアニストが私の鍵盤に手をおき

お店の中に静かな曲を流すようです。

ステージは

8時から30分

9時から30分

10時から30分の3ステージ。

時計は7時55分。

あっ!!コツコツとヒールの音が近づいてきました。 

なんだかちょっと気の強そうな・・・あれ?

海へでも遊びに行ってたのか色が黒いかな

ドレスはブルーの膝下くらいまで・・・ヒールは白。

髪の毛はボブで・・・あらあらアイシャドーもブルー。

まっ!小麦色の肌にはよく映えてるかな・・・。

この子がこれから私と組んでこのクラブを盛りたてていくんだ。

 

・・・次回からいよいよ色々なハプニングを含めて、

ブルーのアイシャドーの彼女がくり広げる、笑いあり、涙ありのエピソードをご披露します。

お楽しみに♪ 

 

2010年08月12日

『音楽』・・・それは一番身近な『心の栄養』

音楽は私達の生活の中にたくさん溢れています。
テレビをつければドラマ・コマーシャル・音楽番組・映画と必ず曲が流れてきます。


あっ!! この曲は聴いたことがある

あっ!! この曲はなんだかとても素敵な曲だな~

と、耳に入ってきた曲が心に伝わってきます。


あなたの人生の中での青春・初恋・将来を夢見ていた
あの時の懐かしさがその瞬間に思い出され
いっときの癒しの空間になることも・・・。


そして好きな曲を聴きながら心が弾み、いつの間にか
エネルギーが湧き出たその時に、活力が自分の背中を
押してくれることも・・・。

今日という日にちょっと音楽を耳に入れてみては・・・

もしかするとあなたの心にほんの小さなささやきが聴こえてくるかもしれません。

2008年10月27日

ちょっと見てって【音楽小話】



こんにちわ(ノ´∀`*)



今月の一曲ページも管理を任されてしまいました…

て事で、



好き勝手やらせて頂きます!



と、まぁ一応音楽のコーナーなので音楽関連で行きたいと思っているのですが

やっぱりどうせブログですし、楽典だぁ音楽史だぁ、かたい事は一切抜きにして

楽しくいきましょう!

見た事聞いたことはあるけど、改めてちゃんと見た事が無いとか

へぇ~そんなのあるんだぁ~とかとか…

ちょっとでも音楽に興味を持って「楽しそう」と感じていただければ嬉しいです☆



と、今回は動画でも見ていただこうかと思っています。



早速ですが「バンド」ってご存知ですか?

ってまぁ知らない方はいらっしゃらないかと思いますが…

ギターとかベースとかドラムとかキーボードとかボーカルとか。

そう、そのバンドです。



普段はどうしてもボーカル(歌い手)の引き立て役になってしまったり

CDを聞いても音しか聞こえてこないせいもあってか、

あまりクローズアップされる事や演奏をまじまじと見る事も無いですよね。



そこで、バンドで使われる楽器にクローズアップ!

世の中にはプロアマ問わず、凄い技術を持った人たちが沢山います!

そんな人たちが遊び心満載の演奏シーンを撮影して、インターネットで公開してたりするのですが

それがなかなか面白いんです☆

凄い技術を持った奏者が誰でも知っているような単純な曲を凄まじいテクニックで弾き倒しています…



見ていただければわかるかな…

とにかく「楽器って楽しそう」と少しでも思っていただけたら嬉しいです☆



ではでは、今回は一番影が薄い存在かもしれない「ドラム」からいってみましょう!






この曲は老若男女、国境線さえ問わずに世界中で有名ではないでしょうか。

スーパーマリオブラザーズです☆

それにしても、この内容・・・技術のオンパレードですよ(;´∀`)



ドラムにとって一番大切なのが「安定感」です。

ドラム(太鼓)と言うのは基本的には音階がありません。

ではドラムは何を奏でるのか・・・リズムです。

他の楽器たちはドラムのリズムに合わせます。

オーケストラで言ったら「指揮者」のようなものですかね・・・

要は、ドラムの安定感でそのバンドの印象は全く変わってきます。

ノリのよさってやつですね!

「ノリ」の事をカッコよく言うと「ビート」とか「グルーヴ」と言います。



体がリズムに合わせて勝手に動く・・・これがドラムのリズムの力、

グルーヴやビートを体で感じるという事です。

色々な曲からドラムの音を消すと、その違いがわかると思いますよ。



と言う事で、わかりやすい説明も出来ないままですが、

第一回目は 楽器達の「縁の下の力持ち」ドラムに関してちょっとだけ触れさせていただきました!

今度から、何か音楽が聞こえてきたらドラムにも少し注目してみて下さいね☆

ではでは!ありがとうございました☆



しかし、これ面白いのかな・・・(;´∀`)


2008年09月25日

It's どうでもいい話!☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ



中々更新されませんこのコーナー

ピアノの先生方は忙しいらしいです(;・∀・)



とはいえ、痺れを切らした更新担当の私が、「せっかくスペースあるんだから」

とちょっとどうでもいい話でもしようかな…ナンテ



音楽といえば、私は大好きです。もちろん聞くことも好きですが、

それより作るのが大好きです(ノ´∀`*)



夢は自宅スタジオ…といっても大掛かりなものではなくて、

ちょっとしたレコーディングが出来ればいいかな…というレベルの話で(;´∀`)



いくらかかるんだよ!?と思われるかもしれませんが、そこは素晴しい時代と科学の進歩です。

20年前だったら1000万円かかるような機材や設備も、今や30万程度…

しかもその殆ど全てがパソコン一台とちょっとした機材があればできちゃう時代になりました…



本当に物価は上がりまくっていると言うのに、デジタル機器…

特にパソコン関係のものはあっという間に値段が下がります。



例えば今まさに私が仕事に使っているパソコン。(私物の手作りパソコン)

当時(3年前)は25万したのですが、今同じものを組んでも軽く10万切るんじゃないでしょうか…

というか3年前のパソコンパーツなんてもう売ってないです(;・∀・)



パソコンだけじゃなくて家電等の電化製品全てに当てはまる事ですよね。

1年ごとにモデルチェンジ…「いつ買えばいいんじゃ!!?」

と思うのは私だけじゃないはず…



てな事で、音楽とは全く関係無い独り言のようなものでしたが…

ちょっとここのスペースが寂しかったので更新いたしました(*´∀`)



多分少ししたら削除されるでしょう…

それ以前にだれか読んでくれてるのかなぁ…

と、ちょっと寂しくも感じながらもこの辺で!



では(*^ー゚)/~~


2008年03月21日

今日の一曲

ドルチェがお送りします今月の一曲
内容は

ここで簡単な「ピアノのおけいこ」です

とはいってもピアノ等の鍵盤楽器をお持ちでない方の方が
多いのではないかと思います。

ですので、ここで感じて頂きたいのは
「こんな感じでレッスンしてますよ☆」
「ピアノを弾くのはこんなに簡単なんですよ☆」
という事がお伝え出来れば幸いです。

もちろん曲が仕上がって
「ホントに弾けるかな?」
と、試したくなったら

よろしければドルチェの「無料体験レッスン」に
お越し下さい☆

ここでの成果はもちろん、お好きな曲があれば
その曲だって同じ要領で弾けちゃいます☆

とにかく普段から音楽が身近な存在としてある方は
もっと音楽を楽しく感じていただけるように!
現在音楽と少し離れてしまっている方は
これから音楽と少しでも仲良く出来るように!

ドルチェを通して
唯一の世界共通言語である「音」
そしてその「音」が奏でる「音楽」
を楽しんで頂けたら幸いです☆

では、近日スタート致します
「今月の一曲」をお楽しみに!