残暑きびしき折 皆様、いかがお過ごしでらっしゃますか。
と、始めたいところですが、今日のごあいさつは少し違います。
酷暑の折 皆様、お身体にはくれぐれもお気をつけ下さい。
さて、毎週木曜日に載せてました「ピアノのつぶやき」・・・
今週は一日遅れて金曜日になってしまいました。
では・・・言い訳は無しで・・・ごめんなさい。
~ピアノのつぶやき~
第3話
ブルーのアイシャドーの彼女はいよいよ9時からの第2ステージにむかって歩き出しました。
休憩の間にサブマネージャーからクレームを出され腹は立つものの、とりあえず言われた通り
少し頭を下に向け、か弱い女性を演じているかの様なその姿・・・
きっと初ステージからクレームを出されて落ち込んでいるんだろうな。かわいそうに・・・
サブマネージャーは身長180cmくらいの長身。
顔の中央には銀の縁どりの眼鏡が自分はインテリなんだと言わんばかりに存在し、
唇は薄く、横一文字。性格は良く言えば細かなことによく気が付き、
悪く言えば些細な事でも見逃さずスタッフというスタッフにクレームを出す。
しかも眼鏡の奥にある小さな目で人を見下すかのように。
その様なわけで店のスタッフからは・・・、あえて文字にしなくてもご想像にお任せ致します。
さて、彼女はこのステージの1曲目に何を弾くのかな?
・・・!? あれ?右手の5本の指が熊手のように構えはじめた!!
ま、まさか??
と思ったら案の定・・・弾いちゃったよ。というか鍵盤をたたいてるよ。
ワァ~、音が大きいし、テンポが速いよ。しかもジャズだし。
あ~ぁ、またサブマネージャーに怒られるよ。。。
ほらほらステージ脇のカーテンから銀縁の眼鏡がチラチラ見えるよ。
ステージの上では彼女が私の鍵盤をたたくかのように「雨にぬれても」の
ジャズバージョンを気分良く弾いてる真っ最中。
ステージの下ではあのK会社の社長(新人ピアニストの品定めが趣味)が
ニヤニヤしながら彼女を見ています。
そして事件は4曲弾き終わり、あと1曲でで第2ステージが
終わるという時に起きたのです。
4曲目が終わり、5曲の準備を3秒足らずでしようとしたその瞬間、
彼女のブルーのドレスの少しV字になってる胸元に、浅黒く適度に
毛むくじゃらで短い腕が突然入ってきたと思ったら何秒もかからずスッと消えたのです。
そしてその胸元には一枚のお札が
「なかなか気に入ったぞ」と言わんばかりにねじこんであったのです。
チップです!!
====ここで一口メモ====
お客様から頂いたチップはお店によって扱い方が違いますが
受け取った者へのプレゼントとして黙認されるのが通常です。
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しかも彼女はK会社の社長に気に入られたのでした。
彼女はというと、ビックリしたのと、何が起きたのか理解不能のまま
演奏を続け始めたのですが・・・
あれ あれ あれれれ・・・
ピアノを弾くのは手を動かすだけでいいのに彼女は肩を肩を横に振り始めたよ。
まるでリオのカーニバルのサンバを踊ってるようだよ。
ダメだ・・・私・・・ピアノなのに・・・笑っちゃい・・・そう・・・ププッ
語り手であるグランドピアノまでもが彼女の奇妙な動きで笑いだしちゃいましたので
代役で私が最後を〆させて頂きます。
ピアノまでが笑ってしまうような彼女の奇妙なサンバの動き
(しかも弾いている曲はバラードなんですがね・・・)が
止まったその時先ほどまでのV字の胸元にはさまったお札が
決して大きくはない胸の谷間に消えていったのです。
しかもそれを最初から最後まで見届けていたのは
この主役でもあるグランドピアノとステージ脇にあるカウンターバーの
素敵なバーテンダー、そしてステージ脇のカーテンからのぞく銀縁眼鏡でした。
来週はブルーのアイシャドーの彼女がこのチップ事件をどう対処するのか。
お楽しみに!!